パスポートを更新した。起業きっかけの振り返り。 kubota

パスポートを更新した。人生で3冊目のパスポートを手に入れた。前回は5年の有効期限だったけど、今後はそんな頻繁に海外にはいかないだろうから10年の有効期限にした。

 

初めてパスポートを取得したのは20歳の頃でだいぶ遅い。10年の有効期限のパスポートだったのだが、その後の10年の半分くらいを日本国外で過ごしてしまったことで空いているページはなくなり、ページ数を途中で増やすことまでした。海外に行っていろいろな文化に触れるのがとても好きだったんですね。多様な世界を見てみたかった。自分が生き生きするのがよくわかりました。総合商社に入ったのも海外に関わりたかったからというのが大きいです。

 

その後の人生も同じような感じになるのかと思い、空いているページがなくなるのが嫌だったので、その次のパスポートは有効期限5年のものにしました。これが2012年のことです。結果どうだったかというとほぼ海外に行くこともなく、ほとんどのページが真っ白です。このパスポートを取る時には起業するなんて全く考えてなかった。その1年後にはどうするべきか具体的に考え出し、2014年に退職して会社を作ることになる。

 

就職したのも2008年でもう26歳とだいぶ遅かったのですが、その後中国、ヨーロッパと担当させてもらい、根無し草の出張生活を送っていたわけです。何年もそういう生活を送っていると、海外で自分をワクワクさせてくれているのはその土地土地でそこに根を張り、サービスを提供したり、独自の生活スタイルを洗練させていっている普通の人だったり、コミュニティを作っている人達だったりするのが肌身にしみてわかってくる。自分はその人たちが生み出したものを消費して楽しんでいるだけ。自分は一体何をやっているんだろうと感じました。

 

また時間的にもいろいろな世界を見て回るのはきりがないなとさすがにわかってきました。一人の人間に与えられた時間はそんなに長くなく、生きていくためにやらなきゃいけないことがたくさんあることを考えると全然足りません。どこかで折り合いをつける必要がありました。

 

総合商社は一つのビジネスをずっと(そのビジネスが立ち行かなくなるまでは。。)担当し続けるという意味では筋は通っている部分はあるけれども、ほとんどの人は複数の場所を転々とする形となり、なかなか個人の人生として何か大きく花開かせることや、地道にビジネスを長い時間をかけて作り上げることは難しいです。その結果、心の拠り所は所属している会社以外にはなりづらいように思いました。そして、その通りになってしまった年配の方がゴロゴロしていました。自分はそれだと60歳すぎて後悔してしまうんじゃないかと思ったんですよね。最初に投資を担当した会社が、中国の創業オーナーがまだ健在の会社で、ゼロから会社を立ち上げて上場まで持って行き純粋にすごいなと憧れをもって思っていたこともあり、そこで起業という選択肢も考えに入ってきた。

 

当時書いていたブログを見返していてやはりこのように考えはじめていたことが文章に出ていたなと感じます。ロンドンの本屋でイヌイットなんかの写真集を見たときに書いた記事なんていうのは特に。根を張った生き方や活動をしている人達はとても魅力的で。時間が経つほどそこから生まれてくる関係が熟成されたものになってくるのだと思います。それがその人の見た目にも影響してくるんじゃないかと。